芥川竜之介書簡集(岩波書店:刊)の中から、1通ずつ、感想を書いて、毎日更新をクセ付けしよう! という目標。

今日は、その第1通目!!

明治42年(1909年)
3月6日 広瀬 雄 本所区小泉町15番地から


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芥川竜之介書簡集 (岩波文庫)

 

実は、この本を買って初めてページをめくって、1行目で挫折したんです。
買う前に試しに読んでみたら良かったんじゃない? と言う人も居るかもしれませんが、この本は“岩波書店”さんという出版社が出しているものです。
この岩波書店さんの本、店頭に置いている本屋さんってほとんどないんですよ。
なので、キャンセル不可の取り寄せでしか購入できなかったのです。
本体価格が900円という、文庫なのにそれなりのお値段がする本書。
それを1行目で挫折したことで、とんでもなく勿体ない代物と化していました。
今回、役に立つことになって良かったです。

そんなわけで、今回は2度目の挑戦です。
さすがに、今回は挫折できません。なんて言ったって、毎日更新の目標が掲げてあるんですから!

そう自分に言い聞かせて、ページをめくります。

粛啓。御手紙難有奉誦致し候。

あぁ! ダメだ!! やっぱり堅苦しい文章は苦手だよ!! 心が折れるよ!!

そんなことを思いながらも、頑張って先に進みます。
どうやら、芥川竜之介が最近読んだ本や舞台のことを書いているようです。

『ジャングルブック』

ジャングル・ブック (岩波少年文庫)

 

『ロスメルスホルム』

ロスメルスホルム (笹部博司の演劇コレクション―イプセン編)

『ボルクマン』

昭和初期世界名作翻訳全集 (18)

『人形の家』

人形の家 (岩波文庫)

『寂しき人々』

寂しき人々

『舞姫』

舞姫 (集英社文庫)

『クオバデス』

『復活』

など。
ジャングルブックと舞姫以外は全く知りません……。

こうやって、1通の手紙に書かれている芥川竜之介の読書遍歴を見ると、芥川竜之介が読書家なのが分かります。
そして、どうも読書傾向が私とは違うようだということも。
読書傾向が違うと言うことで、私が芥川作品の世界観を好みと言えないのも頷けます。
そりゃあ、好みが違う人が書いた作品を好みだと思えることってほとんどないですよね。
やっぱり、書簡集とはいえ、読むの大変だなぁ。

と、思っていたところに出てきた言葉がこれ。

中々捗らず時々先の頁を勘定してがつかり致し候。

思わず笑ってしまいました。
これ、私もやります(笑)
読んでいる途中で、ページを飛ばして先を読んだり、最後を読んだりするんです。
その読んだページの展開にガッカリして、残りを読む気にならなくなったり。
これを読書好きの人に言うと、「ありえない!! 邪道な読み方!! 作者に失礼!!」と、怒られるんですが……、
今度から、「芥川竜之介も同じことしてたよ!」と、返そうと思います。

他にも、

これより学年試験の完るまでは一週間禁読書禁遠歩の行者と相成る筈に候。遠足は散歩にて間にあはせ候へども禁書は兎も角も難航にて読みたくてたまらぬ時は何となく気のとがめ候まゝそうつと化学の教科書などの下にかくしてよむを常と致し候。

なんてことが書いてあり、これにも笑わずにはいられませんでした。
試験期間中に遠出や読書を自粛するものの、こっそり教科書の下に隠して読むなんて!!
芥川竜之介も普通の学生だったんですね。
一瞬で芥川竜之介に親近感を持ってしまいました(笑)

さて、こんな手紙を宛てた“広瀬雄”さんとはいったい誰? と思い、調べてみました。
芥川竜之介が通っていた学校の英語科教諭だそうです。
なるほど。それで、文章が堅苦しかったり、翻訳本の話題が多かったり、試験の話が出たりしたんですね。

芥川竜之介書簡集、思っていたより面白く読めました。


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