【君の膵臓をたべたい】 著者:住野よる 出版社:双葉社

もし良かったら読みませんか? と、限定見本を頂きました。
校了前のものだそうで、刊行時に内容や表現が変わる可能性がございます。という注意書きが書いてありました。

頂いた時は発売前でしたが、読み終わったのは本日。
読み始めて70頁くらいで読み飽きてしまったのです。

そのまま積読と化していましたが、いろいろな書店で大々的に展開してあるのを見て、再度挑戦する気になりました。

今回は一気に読了。


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君の膵臓をたべたい

主人公は、教室の中ではいつも本を読んでいて、友人を作る気も係る気もない地味な男子生徒。
そんな彼が、クラスで中心的な存在である女子生徒の秘密を知ってしまった。
女子生徒の名前は山内咲良。
主人公の名前は……出てこない。

私がなぜこの本を途中で読み飽きてしまったかというと、主人公の名前がどれだけ頁を捲っても出てこなかったからだ。
【秘密を知ってるクラスメイト】くん
【大人しい生徒】くん
【地味なクラスメイト】くん
などと表記され、まったく名前が出てこない。

そんな主人公。途中で、
【仲のいいクラスメイト】くん
【仲良し】くん
という表記に変わっていった。
主人公の名前そのものは出てこないものの、二人の距離感が縮まっていくのが伝わってきた。

余命一年だという咲良の我儘に振り回されつつも付き合う主人公。

そんな咲良の我儘のひとつが、家族に内緒で男の子と一緒に旅行に行くこと。
咲良に騙されたような形で新幹線に乗り込む主人公。
着いた場所は――

・ラーメン
・はりがね
・替え玉
・学問の神様
・日本一物騒な県

――福岡かよっ!!!

福岡県民の私は思わず突っ込まざるを得ません。

改札を出た瞬間ラーメンの匂いがしただって!?
博多駅の匂いと言えば、クロワッサンでしょうが!!(駅構内に行列のできるクロワッサンのお店があります)
博多駅ってラーメンの匂いするかな? 慣れすぎて気づいてないだけ??

ラーメンの替え玉システムは地元民もよく利用しますが、麺の固さの「はりがね」は、地元民でもネタでしか頼まないんじゃないかなぁ。
みんな「バリカタ」か「ふつう」じゃないかな。
たぶん、「ふつう」ですら他の県のラーメンより固めの麺が出てくるもの。

学問の神様は、太宰府天満宮のこと。
そして、この太宰府天満宮の描写がもう気になって気になって!!

この著者、数年前に修学旅行か何かで福岡に来たことがあるっていうくらいじゃないんでしょうか。
この小説を書くために福岡に取材に来てるわけじゃないですよね、きっと。
突っ込みどころが満載です。

まず、博多駅から太宰府天満宮への移動手段。
JRだと、とんでもなく不便です。最寄りの駅で降りた後、バスに乗りかえないと……。
なので、太宰府天満宮に行くのなら、博多駅横のバスターミナルからのバスに乗るのが妥当。
もしくは、この小説でも言われている「県内随一の繁華街」である天神から西鉄電車に乗って「太宰府駅」で降りる。
太宰府駅を降りたらそこから神社への参道が始まってます。

小説内の描写はどう想像しても、この西鉄電車の大宰府駅から降りた道筋に思えるんですが。

参道を登りきると書いてあるけど、お土産物のお店を見て歩いていれば気にならない程度のゆるやかな坂道だと思う。
確かに、真夏にあの参道を歩くと汗だくになるのは間違いないけど。

橋を渡る前にある牛の偶像には、近くに手を洗う場所って言ったらお手洗いしかないし、触るために手を洗ってる人は見たことない。

菖蒲池の横の食事処で梅枝餅を食べるためだけに座敷に上がるのにもビックリだよ。梅枝餅だけなら参道のお店で食べればいいのに。
食事処の前払い制度を知っているあたり、本当に食べに行ったことはあるんだろうけど。

それよりも、太宰府天満宮って言ったら“飛び梅”じゃないの!?
牛の偶像より飛び梅のほうが有名だろうに……なぜそのエピソードには触れないの!?

……と、思っていたらラストで出てきた。
太宰府天満宮の梅のお酒。
これ、お守りとか売ってる社務所で買えます。
梅の季節になると、神職さんたちが約6000本もある木から梅を収穫するんです。
その梅から作ったお神酒。

太宰府天満宮まで行ったのに、すぐ側の天開稲荷社や竈門神社、九州国立博物館には行かず、そのまま博多まで帰ってるし……観光地なのにもったいない!!

しかも、ユニクロに行くことと、もつ鍋食べるためだけに天神に行ったの?
もつ鍋もユニクロも博多駅近辺にあるよ??
んで、その後、またホテルの博多まで戻ったの??
しかも、地下鉄で?? バスなら片道100円で博多駅~天神循環してるじゃない??
地下鉄だと片道200円だよ?? 倍もかかるよ??
どういうことなの??

っていうか、やっぱり太宰府天満宮からJR使って博多駅に戻ったの??
わざわざ西鉄電車の駅を通り越して?? 太宰府天満宮から最寄りのJR駅まで西鉄電車の3駅分もあるよ? そこを歩いたの??

もう、この福岡と大宰府の描写は「???」で溢れ返って、集中して本を読めなかった!!

コンビニで買ったポテトチップスをホテルの部屋で食べる時にも、「うすしお」か「コンソメ」かっていう会話してたけど、せっかく福岡に来たんなら「九州しょうゆ」を試しなよぉおお!!! と、悶えた福岡県民は私です。

翌日の二人は、

・川を取り囲むように作られたショッピングモール
・日用品売り場から劇場までそろっている複合商業施設
・赤く巨大

という場所に訪れる。
うん、キャナルシティ博多ですね。

川の横に建ってるけど、べつに取り囲んでないよね。
確かに、施設内に川はあるけど、それ、人工ですからね。
イベント広場には噴水もあるよ。
確かに、複雑な作りの施設ではあるかもしれない。

モンドセレクション何年連続金賞とかいうお土産はたぶん「博多通りもん」だろうけど、個人的にはそんなに好きじゃないので、「南蛮往来」を推しておきます!!

そんなこんなで、福岡&大宰府描写が気になって小説に集中できなかった。
できることなら、著者には過去に旅行した場所の記憶を思い出しながら書くのではなく、書くための取材旅行をしていただきたい。
刊行前の限定見本だからこんな状態なのか、刊行されたものも同じなのか……。
取材旅行をしていてこれなら、かなり残念。

それから、この登場人物二人の住んでいる場所を考察してみた。

高校生二人が新幹線に乗って博多に来るわけだから、新幹線の通っている地域。
ラーメンの匂いが気になるってことは、九州以外。
四国と関西は
“彼の府ではソースの匂いがして、彼の県ではうどんの匂いがするとでも”
という言葉から除外。
広島だったら新幹線で行くよりも高速バス使った方がお得だし、日帰りできる距離。

――ということで、岡山あたり?? と、想像。

ちなみに、関西より東を除外する理由として、
14時半博多発の新幹線に乗って、地元に着いた頃に“夏の空も少しずつ群青色を受け入れ始めていた”という描写があるから。
博多から東京までは、新幹線で約5時間。
14時半発だと、東京着が19時半。この時間だと、もう群青色通り越して暗いでしょう。
群青色の空を受け入れ始めたってことは、まだ明るいってこと。
明るいうちにたどり着ける距離で、新幹線を使う土地は限られてると思う。
というか、福岡~関東は飛行機移動の方が普通です。
福岡から新幹線で移動するのは関西までじゃないかなぁ。(高校生ならフェリーも有り)

どうやら、著者は大阪府在住らしいので、自分の経験から書いた結果という気がします。

本編の感想があんまりないのはご愛嬌。
残念ながら泣けなかったなぁ。

 

せっかくなので、大宰府天満宮の写真でも載せておきます。

天満宮

 

 

 

 

 

飛び梅

 

 

 

 

 

 

 

 

 

菖蒲池

 

 

 

 

 

梅枝餅

 

 

 

 

 

 

 

 


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