雑誌『ダ・ヴィンチ』で、森永のミルクキャラメルと小説家がコラボしたという記事だか広告を見た。
パラパラと捲っていたなかで一瞬だけ目にしたソレが頭の中に残っていたのだろう。スーパーで会計待ちの列の中、ふと横を見るとレジの横に備え付けられている棚に、森永のミルクキャラメルが。

「ああ、ダヴィンチで見たアレだ」

と、思わずひとつ手に取ってカゴの中へ入れた。

家に帰って袋から取り出したミルクキャラメル。
子どもの頃に大好きでよく食べてたなぁ……と、懐かしみながらパッケージを確認。

ダ・ヴィンチ推薦
各3話完結 オリジナル小説掲載中人気小説家書き下ろし!!

人気小説家2名がオリジナル小説各3話を書下ろし!!
小説の種類(6種)は、上面よりお選びください。

角田光代
浅井リョウ

店頭で何も確認せずに手に取ったが、どうやら、3つ必要なようだ……。

手元のキャラメルを確認すると『浅井リョウ著 タイムリミット 1/全3話』とある。

私がカゴに入れたキャラメルは、浅井リョウさんの小説1話目だった。

翌日、残りの2話を探しにスーパーへ足を運んだ。
……森永さん、商売上手ですな(笑)

以下、ネタバレ感想。


web拍手 by FC2

 

昔から変わらないミルクキャラメルの箱。

キャラメル1

 

 

 

 

 

浅井リョウさんの小説3つ揃えた。

キャラメル2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャラメル12個入り。
キャラメルの包み紙が白い紙から銀紙に変わってるんだよね。私は前の、白い紙で包んである方が好きだった。
キャラメルに紙の味(香り)が移ってるのが好きだったんだけど、銀紙ではそれがない。
なので、食べた時のひと口目が覚えている味と違うんだよね。残念。

キャラメル3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箱の側面に著者プロフィール。

キャラメル4

 

 

 

 

 

箱の裏に小説!!
てっきり、QRコードなりURLなりが書いてあって、スマホなりPCなりを使って見てね! という手法だと思っていたので、箱の裏に文字が見えた時にはビックリ。

キャラメル5

 

 

 

 

 

小説本編の写真を全部載せちゃうのはマズイので、後半は塗りつぶした。
下記にネタバレは書くけれど、浅井リョウさんの文章が気になった人はぜひキャラメルを買って確認すべし!!

各話、12段×19行に収まったショートストーリー。
とんでもなく短いので、ストーリーとしてどう成り立つたせるのだろう? と、思いながら読み始めた。

そして、最初の1節で、ガシッ!! っと、心のツボを鷲掴みにされた。

あと五分、では味気ない。でも具体的な時間制限を授けなければ、いつまでもサボってしまう。そんなとき、一粒のキャラメルは甘くて曖昧なタイムリミットになってくれる。

このショートストーリーの登場人物は、大学受験を控えた高校生の“”と、同じクラスで席が隣の“太一”。
席が隣というだけで、“私”は“太一”の勉強を見ることになった。
勉強途中、キャラメル一粒をタイムリミットに休憩を取る二人。

キャラメルの箱に書かれる小説なのだから、もちろんキャラメルに関連する話だというのは予想できていた。
が、そのキャラメルを、時間を計る手段として使うというのは、思いつきもしなかった。。

他にも、アイスの上に垂らすキャラメルソースの苦みを“大人の味”だと思うことで、甘いキャラメルを食べる高校生の“私”と、苦みのあるキャラメルソースが当たり前になるであろう“大学生の私”との対比が、味覚によって表現されている。
更に、食べるキャラメルが、固形から液状のものへと変化することで、高校生から大学生へと大人になって変化を“私”が感じ取っている。
そうして、大学生になることで、“太一”との関係性がクラスメイトじゃなくなることを気にする“私”に、“太一”が差し出した一粒のキャラメル。

「……これ食べ終わったら、ちょっと、俺の話聞いて」

心の中で「ひゃー!!!」っと声がでた。
“太一”が渡した一粒のキャラメルが、二人の関係性を変えるまでの“あと五分、では味気ない。甘くて曖昧なタイムリミット”になっていて、胸が高鳴った。
少女マンガみたいな展開!!少女マンガ大好き!!! (←笑)
描かれていないその先を想像するだけで口元が緩む。

400字詰めの原稿用紙2枚にも満たないショートストーリーで、とてもトキメかせてもらった。

浅井リョウさんの小説は今まで一度も読んだことがないんだけど、これをきっかけに、読んでみたくなった。
話題になったデビュー作か、直木賞受賞作あたりから手を出そうかな。


web拍手 by FC2